赤ちゃんのアレルギー|症状の種類から予防・対処法まで徹底解説

育児

「うちの子、アレルギー体質かな?」「離乳食でアレルギーが出たらどうしよう?」「アレルギーって、どうすれば予防できるの?」

赤ちゃんのアレルギーは、パパママにとって大きな心配事の一つですよね。小さな体に突然現れる症状に、不安を感じるかもしれません。アレルギーは身近な病気ですが、正しい知識を持つことで、不必要な心配を減らし、いざという時に落ち着いて対処できるようになります。

この記事では、赤ちゃんによく見られるアレルギーの種類、症状、予防策、そして万が一症状が出た場合の対処法について、初めてのパパママにも分かりやすく徹底解説します。これさえ読めば、赤ちゃんのアレルギーへの理解が深まり、安心して育児に臨めるはず!一緒に見ていきましょう。

赤ちゃんのアレルギーってどんな種類があるの?

赤ちゃんに多いアレルギーは、主に食物アレルギーとアトピー性皮膚炎です。

食物アレルギー

特定の食物を食べたり触れたりすることで、体の免疫システムが過剰に反応し、様々な症状を引き起こします。

  • 主な原因食物
    • 鶏卵
      最も多い原因食物です。特に卵白にアレルギー反応が出やすい傾向があります。
    • 牛乳
      牛乳や乳製品にアレルギーを持つ赤ちゃんも多くいます。
    • 小麦
      パンやうどん、パスタなどに含まれます。
    • その他
      大豆、ピーナッツ、そば、甲殻類(えび、かに)、果物なども原因となることがあります。
  • アレルギー特定原材料等28品目
    義務表示(8品目)
    えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、 くるみ
    推奨表示(20品目)
    あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、 アーモンド
  • 症状
    • 皮膚症状
      じんましん、赤み、かゆみ、湿疹など。最も多く見られます。
    • 消化器症状
      嘔吐、下痢、腹痛、血便など。
    • 呼吸器症状
      咳、ゼーゼーする(喘鳴)、鼻水・鼻づまりなど。
    • アナフィラキシー
      全身に複数の重い症状が同時に現れる、命に関わるアレルギー反応。呼吸困難、意識障害、血圧低下などが代表的です。緊急性が高く、すぐに医療機関を受診する必要があります。
  • 発症時期
    離乳食が始まる生後5〜6ヶ月頃から診断されることが多くなります。

アトピー性皮膚炎

皮膚のバリア機能が低下し、乾燥やかゆみを伴う湿疹が慢性的に繰り返される病気です。アレルギー体質の赤ちゃんに多く見られます。

  • 主な症状
    赤みのある湿疹、強いかゆみ、カサカサした乾燥、ブツブツなど。顔、頭、耳の周り、首、関節の内側などに出やすいです。
  • 原因
    皮膚のバリア機能の低下、アレルギー体質(遺伝的な要因)、ハウスダストやダニなどの環境要因などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。
  • 発症時期
    生後2〜3ヶ月頃から症状が現れることがあります。
  • 食物アレルギーとの関係
    アトピー性皮膚炎がある赤ちゃんは、食物アレルギーを併発しやすい傾向があると言われています。

【専門的視点】
日本小児アレルギー学会などでは、乳幼児期のアレルギー疾患の診断と治療に関するガイドラインが示されています。早期診断と適切な治療、スキンケアが重要であるとされています。

アレルギーの予防と対策:今からできること

赤ちゃんのアレルギーを完全に防ぐことは難しいですが、発症のリスクを減らしたり、症状を悪化させないための対策は可能です。

食物アレルギーの予防と対策

  • 離乳食は焦らず、適切な時期に
    離乳食の開始時期を遅らせてもアレルギー予防にはならないとされています。赤ちゃんの準備ができたサインに合わせて、適切な時期に始めましょう。
  • 新しい食材は少量から、1日1種類ずつ
    アレルギーの心配がある食材(卵、乳製品、小麦など)は、ごく少量から与え、数日間は他の新しい食材を与えずに体調をよく観察しましょう。
  • しっかり加熱する
    特に卵や乳製品は、しっかり加熱することでアレルギー反応が出にくくなることがあります。
  • 皮膚が荒れている時は注意
    皮膚が荒れていると、そこからアレルゲンが侵入しやすくなり、アレルギーを発症するリスクが高まると言われています。湿疹がある場合は、スキンケアをしっかり行い、皮膚の状態を良好に保ってから離乳食を進めましょう。
  • 母乳育児の継続
    母乳には、赤ちゃんをアレルギーから守る効果があると考えられています。可能な範囲で母乳育児を続けましょう。
  • 自己判断での除去はしない
    アレルギーの可能性があるからといって、自己判断で特定の食材を食事から完全に除去することは避けましょう。必要な栄養素が不足したり、かえってアレルギー体質を強化してしまったりする可能性があります。必ず医師に相談し、診断を受けてから除去食を開始しましょう。

【先輩パパママの声】
「卵アレルギーが心配だったから、小児科の先生に相談して、卵黄を耳かき1杯分から慎重に始めたよ。何かあったらすぐに病院に行けるように、午前中に試すのが鉄則だね。」(生後8ヶ月のパパ)

アトピー性皮膚炎の予防と対策

  • 毎日のスキンケア
    • 清潔にする
      赤ちゃんの肌を清潔に保つことが大切です。お風呂では、赤ちゃん用の低刺激性石鹸をよく泡立てて優しく洗い、すすぎ残しがないようにしっかり洗い流しましょう。ゴシゴシ擦らないように注意。
    • 保湿する
      入浴後や乾燥が気になる時には、ベビーローションやワセリンなどで、全身をしっかり保湿しましょう。乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、湿疹を悪化させる原因になります。
  • 室内の環境整備
    • ハウスダスト・ダニ対策
      掃除機をこまめにかけ、寝具は定期的に洗濯・乾燥させましょう。
    • カビ対策
      湿度が高い時期は、除湿器などで湿度を管理し、カビの発生を防ぎましょう。
  • 掻かせない工夫
    痒みが強いと赤ちゃんは掻いてしまい、症状が悪化します。
    • 爪を短く切る。
    • 綿の手袋をさせる。
    • 保湿剤や薬を塗って痒みを和らげる。
  • 適切な治療
    湿疹がひどい場合や痒みが強い場合は、早めに小児科や皮膚科を受診し、適切な治療を受けましょう。ステロイド剤など、医師の指示に従って使用することが重要です。

【専門的視点】
国立成育医療研究センターは、アレルギー疾患の予防として、乳児期からの積極的なスキンケアの重要性を強く推奨しています。皮膚のバリア機能を保つことで、アレルゲンの侵入を防ぎ、アレルギー発症のリスクを低減できると考えられています。

アレルギー症状が出た時の対処法:冷静に、そして迅速に

万が一、赤ちゃんにアレルギー症状が出た場合、パパママが冷静に対応することが大切です。

軽度な症状の場合

  • 原因と考えられる食物を中止
    直前に与えた食材を中止し、しばらく様子を見ましょう。
  • 症状を観察
    いつ、どのような症状が出たか、写真に撮るなどして記録しておきましょう。
  • 自己判断で除去しない
    勝手に他の食材も与えるのをやめたりせず、必ず医師に相談しましょう。

重度な症状(アナフィラキシーの疑い)の場合

アナフィラキシーは、複数臓器に症状が急速に現れ、命に関わる可能性がある重いアレルギー反応です。以下の症状が見られたら、すぐに救急車を呼び、医療機関を受診しましょう。

  • 呼吸困難
    息が苦しそう、ゼーゼーする、声が出ない、唇が青い。
  • 意識障害
    ぐったりしている、呼びかけに反応しない。
  • 全身のじんましんや強い赤み、腫れ
    特に顔や唇、目の周りの急激な腫れ。
  • 強い腹痛、嘔吐、下痢の繰り返し。
  • 血圧低下
    顔色が悪い、冷や汗、脈が弱い。

【ポイント!】

  • 食物アレルギーがあることが分かっている場合
    医師から処方されたアドレナリン自己注射薬(エピペン®️など)を持っている場合は、指示に従って使用しましょう。
  • 日頃から準備
    アレルギーを持つ赤ちゃんの場合、かかりつけ医と緊急時の対応について話し合っておき、病院の連絡先や、最寄りの救急病院などを事前に確認しておきましょう。

【Q&A】赤ちゃんのアレルギーに関するよくある疑問

Q1. 親がアレルギー体質だと、子どももアレルギーになりますか?

親や兄弟にアレルギー体質の人がいる場合、子どももアレルギーを発症するリスクは高まります。これは遺伝的な要因が関係しているためです。しかし、必ずしもアレルギーを発症するわけではありませんし、適切な予防策やスキンケアで発症を遅らせたり、症状を軽くしたりすることは可能です。心配な場合は、早めに小児科医やアレルギー専門医に相談しましょう。

Q2. アレルギー検査はいつ頃受けられますか?

アレルギー検査は、症状が出ている場合に、原因を特定するために行われるものです。症状がないのに予防的に検査を受けることは、通常は推奨されません。乳児期は、まだ免疫システムが未熟で、正確な診断が難しい場合があるためです。アレルギーのような症状が出た際に、医師が判断して検査を検討します。

Q3. 離乳食でアレルギーが出たら、その食材は一生食べられないのですか?

いいえ、必ずしも一生食べられないわけではありません。乳幼児期の食物アレルギーの多くは、成長とともに食べられるようになる「自然寛解(かんかい)」が期待できます。特に卵や牛乳、小麦のアレルギーは、年齢が上がるにつれて治ることが多いです。医師の指示に従って、定期的に摂取できるかどうかのチェックを行い、徐々に慣らしていく「経口免疫療法」を行う場合もあります。自己判断での解除は危険なので、必ず医師と相談しながら進めましょう。

Q4. アトピー性皮膚炎の赤ちゃんに、保湿剤はどれくらい塗ればいいですか?

アトピー性皮膚炎の赤ちゃんの場合、「お肌がしっとりするまで」たっぷり塗るのが基本です。塗る量が少ないと十分な効果が得られません。お風呂上がりには特に念入りに、全身に優しく伸ばして塗りましょう。1日に数回、乾燥が気になる時に塗ってあげるのが理想的です。医師から処方された薬と保湿剤を併用する場合は、指示に従って塗る順番や量を守りましょう。

Q5. ペットを飼うとアレルギーになりやすいですか?

ペットとアレルギーの関係は複雑で、一概には言えません。ペットのフケや毛、唾液などがアレルゲンとなることはありますが、一方で、乳幼児期に特定の動物と接触することで、アレルギーの発症を予防する効果があるという研究も報告されています。もしご家庭でペットを飼っている場合や、これから飼うことを検討している場合は、アレルギー体質の子どもがいるかどうかなども含め、医師に相談してみると良いでしょう。

まとめ

赤ちゃんのアレルギーは、パパママにとって心配の種となることもありますが、正しい知識と適切な対処法を知っていれば、冷静に対応できます。食物アレルギーもアトピー性皮膚炎も、早期発見と適切な治療、そして毎日の丁寧なケアが非常に大切です。

アレルギーの心配がある場合は、自己判断せずに必ず小児科医やアレルギー専門医に相談し、適切なアドバイスとサポートを受けましょう。赤ちゃんのアレルギーとの付き合い方は、決して一人で抱え込むものではありません。

お子さんの肌や体調の変化によく目を配り、愛情たっぷりのケアで、健康で安心できる毎日を過ごせるようにサポートしてあげてくださいね。

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