妊娠後期とは?
妊娠後期は、妊娠8か月(28週)から出産直前の39週ごろまでを指します。
この時期になると、赤ちゃんの成長は急ピッチで進み、お腹も大きく重くなることで、妊婦さんの身体にかかる負担も増してきます。
一方で、「いよいよ出産が近い」という実感も強まり、不安と期待が入り混じる時期です。
妊娠後期の赤ちゃんの成長

この時期の赤ちゃんは、体重が約1,000gから3,000g近くにまで成長します。
- 肺機能や脳、内臓などが完成に近づく
- 胎動は一段と力強く、しゃっくりを感じることも
- 子宮の中での動きは少しずつ制限されてくる
- 妊娠37週以降は「正産期」=いつ産まれてもOK
妊娠後期の主な症状・体の変化
1. お腹の張りと頻繁な胎動
赤ちゃんの体が大きくなると同時に、子宮も最大限に拡張していきます。
- 胎動が力強く、肋骨に当たるように感じることも
- 「前駆陣痛」と呼ばれる不規則なお腹の張りが出現
- 夜間の眠りが浅くなることも
2. 息切れ・胃の圧迫感
お腹がせり出すことで、胃や肺が圧迫され、息苦しさや食欲の低下が見られます。
- 少量ずつ、こまめに食べるスタイルに
- 横になる姿勢にも工夫が必要(クッション使用など)
3. 頻尿・腰痛・足のむくみ

子宮が膀胱を圧迫することで頻尿になったり、姿勢の変化から腰や足への負担も増加します。
- 骨盤周囲の痛み(恥骨痛・坐骨神経痛)も起きやすい
- 睡眠中の足のつり(こむら返り)に悩まされる人も
4. 気持ちのゆらぎ・出産への不安
出産が現実味を帯びてくるこの時期、**「ちゃんと産めるのかな」「痛みに耐えられるかな」**といった不安を感じる妊婦さんも多いです。
- ホルモンの影響で情緒が不安定になることも
- ネガティブな感情は自然な反応なので、自分を責めないでOK
- パートナーや助産師に気持ちを打ち明けることも大切
妊娠後期にやるべきこと
1. 入院・出産準備を整えよう
出産予定日が近づくにつれて、陣痛や破水がいつ来てもおかしくない時期に入ります。
36週を過ぎたら、「入院準備バッグ」を常備しておくことが鉄則です。
入院バッグに入れておくべきもの(一例):
- 母子手帳、健康保険証、診察券
- 入院書類、出産一時金の申請関係
- 産褥ショーツ、授乳ブラジャー、パジャマ
- 赤ちゃんの肌着やガーゼ
- スマホ充電器、イヤホン、本や雑誌など
- 飲み物(ペットボトル+ストローキャップ)
2. 里帰り出産や交通手段の確認
もし里帰り出産を予定している場合は、34〜35週くらいまでには帰省を完了しておくのが理想です。
また、自宅から病院までのルート確認や、タクシー会社の連絡先登録も大切です。
陣痛タクシーとは?
事前登録を行い、陣痛時に優先して送迎してくれるタクシーサービスです。
大手のタクシー会社や地域の交通機関が運営していることもあります。
- 登録無料のサービスが多数
- 破水時の対応可否や、バスタオル持参の有無も確認を
- 出産予定の病院によっては、提携しているタクシー会社あり
3. 陣痛や破水の兆候を知っておこう
以下のような兆候が出たら、病院に連絡・受診の目安です。
陣痛のサイン
- 規則的な間隔で、だんだん痛みが強くなる
- 10分間隔以下になったら「本陣痛」の可能性
破水のサイン
- 尿漏れのような感覚があるが、止まらない
- 無臭またはやや生臭い透明な液体
妊娠後期に注意すべきポイント
1. 妊娠高血圧症候群・むくみ・体重管理
妊娠後期に発症することがある**妊娠高血圧症候群(旧:妊娠中毒症)**は、注意が必要です。
- 急激な体重増加(週に500g以上)は要注意
- 手足のむくみ、視界のちらつき、頭痛がある場合は受診を
- バランスの良い食事、塩分控えめが大切
2. 感染症対策・風邪に注意
妊娠後期は免疫がやや落ちやすいため、風邪やインフルエンザ、新型コロナなど感染症の予防が必須です。
- マスク着用・手洗い・人混みを避ける
- ワクチン接種は産婦人科医と要相談
- 発熱時は、妊婦OKの解熱剤を医師の指示で使用
パートナーにできるサポート
妊娠後期は、身体的にも精神的にもきつくなる時期。
パートナーの理解と協力が、妊婦さんの安心に直結します。
できること例:
- 夜間の頻尿・体の痛みへの配慮(寝室の環境整備)
- 荷物の持ち運びや買い物代行
- 検診の付き添いや入院準備のチェック
- 陣痛が始まった時の対応確認(いつ・どこに連絡するか)
まとめ|出産への心構えを整える
妊娠後期は、「赤ちゃんに会える日」がぐっと近づくと同時に、身体の変化や心の不安もピークに達する時期です。
- 出産準備は「早め・こまめに」が基本
- 陣痛や破水への理解と行動の準備を
- パートナーや家族、医療スタッフに頼ることをためらわずに
ママが安心して出産に臨めるよう、自分を労わりながら、無理せず最後のマタニティライフを過ごしていきましょう。